サーブだけじゃない!テニス界の台風男、その本質に迫る
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はじめに:彗星のごとく現れた“アメリカの爆弾”
2023年の全豪オープンで突如ベスト8に進出し、世界に衝撃を与えた男──ベン・シェルトン(Ben Shelton)。
その後も全米オープンベスト4、ツアー初優勝と勢いを加速させ、2025年現在ではアメリカ期待の若手筆頭として注目されています。
多くの人が「サーブが凄い」と語りますが、彼の本当の強さはもっと奥深いところにあります。
強さの秘訣1:世界屈指の“左サーブ”
シェルトン最大の武器は、左利きから繰り出される時速220km/h超のサーブ。
• アングルも鋭く、外に逃げるスライスサーブは脅威
• セカンドサーブも攻めの姿勢を貫き、ほぼフラットで打ち込む場面も
• 特にアドサイドからのワイドサーブは武器中の武器で、ラリーにすら持ち込ませない
しかもそれを20歳そこそこでやってのける度胸も備えており、サーブだけで流れを作れる選手です。
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強さの秘訣2:“全力疾走”フォアハンドと俊足カウンター
ただのビッグサーバーでは終わらないのがシェルトンの恐ろしいところ。
一撃必殺のフォアハンドを持ちながら、ディフェンス能力も高く、ラリーにも十分強い。
• フォアはスピン量よりも厚くフラット気味にぶち抜く型
• ランニングショットや逆クロスが非常に巧み
• 反応速度も抜群で、ネット際のリカバリー力も◎
彼の試合は「動」のエネルギーで満ちており、観ていて飽きない。
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◆強さの秘訣3:勝負を楽しむ“エンターテイナー気質”
勝つことだけを目的としない、感情を爆発させるプレースタイルが彼の人気を押し上げている。
• ポイントを取るたびに飛び跳ねるようなガッツポーズ
• 試合中も笑顔を見せる余裕、挑発的なパフォーマンスも
• “ゾーンに入った時”の爆発力はトップ10選手すら圧倒するほど
彼はコート上のロックスターであり、アメリカ国内では「新時代のアガシ」とまで称されることも。
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強さの秘訣4:遅れて開花した“エリートの逆説”
シェルトンは大学テニス出身(フロリダ大学)で、プロ転向はなんと2022年。
ジュニア時代の大きな実績もなく、“遅咲き”に見えますが、これこそが彼の強みでもあります。
• 身体の土台がしっかりしており、怪我に強い
• 戦術理解と自立心があり、試合中に自分で修正できる知性を持つ
• 父が元ATP選手でコーチ、“親子二人三脚”で磨かれた思考と精神力
この背景があるからこそ、あれだけ自由に・大胆にプレーできるのです。
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今後の展望:ハードだけじゃない“多面性”が鍵に
2025年現在、彼は主にハードコートで好成績を収めていますが、芝やクレーでも可能性は十分。
サーブ+ネットプレーを磨けば芝での躍進もあり得ますし、クレーでも展開の早さを武器に勝ち進む可能性は高いです。
• 2025年末にTOP10入りも視野
• アメリカ開催のUSオープン制覇は最大目標
• 近い将来、アメリカのNo.1になる日も近い?
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まとめ:サーブだけの男じゃない、“テニスをエンタメにする男”
ベン・シェルトンの魅力は、サーブやフォアだけじゃなく、プレーの中に“物語”があること。
彼はただ点を取るのではなく、観客を巻き込んで、試合そのものを“ショー”に変えることができる。
男子テニスの中でも、「爆発力」と「感情表現」の両方をここまで体現できる選手は、数えるほどしかいません。
だからこそ、彼が試合に出ると「何かが起こる気がする」。
それが、ベン・シェルトンという男の強さなのです。
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